自称 美術鑑賞好きな寺本がお送りします『寺本、名画の旅』。
毎回、寺本が独断と偏見でおすすめの名画を勝手にご紹介していきます。
第1回の今回は僕の1番好きな画家”グスタフ・クリムト”の『人生は戦いなり(黄金の騎
士)』です。
この作品を楽しむにはクリムトの生涯を知っておくととても味わい深くなると思います。
クリムト回顧展として開催された第8回ウィーン分離派展の出品作で分離派の会長として芸
術の刷新に立ち上がり、大学講堂の装飾壁画を巡るスキャンダルでは、無理解な世論の批
判の矢面に立たされていた人物で、世紀転換期のウィーンの新しい芸術の旗手として、こ
の作品の題名どおり闘っていました。
術の刷新に立ち上がり、大学講堂の装飾壁画を巡るスキャンダルでは、無理解な世論の批
判の矢面に立たされていた人物で、世紀転換期のウィーンの新しい芸術の旗手として、こ
の作品の題名どおり闘っていました。
この作品の制作にあたって、クリムトはアルブレヒト・デューラーの版画作品《騎士と死
と悪魔》(1513年)を下敷きにしたと考えられています。
と悪魔》(1513年)を下敷きにしたと考えられています。
デューラー作品では馬に乗った騎士は、彼を邪魔しようとする死神や悪魔を無視して歩み
を進めています。
を進めています。
《人生は戦いなり》のなかでは黄金の騎士の行く手を邪魔する悪者は左下に見える黄金の
ヘビ。
ヘビ。
けれど、ヘビはまた楽園の象徴でもあります。そう、イヴにりんごを食べさせたヘビのこ
とです。
とです。
小さな花々が咲く楽園を進む騎士。戦う騎士と幸せな楽園…ってなんだかミスマッチです
が、この作品には、当時のウィーンの保守的な美術界、芸術の既成概念との戦いに1人立ち
向かう騎士として、自分自身を表している作品でありました。
が、この作品には、当時のウィーンの保守的な美術界、芸術の既成概念との戦いに1人立ち
向かう騎士として、自分自身を表している作品でありました。
その中で表現の自由を探求し、後に《接吻》のような優美な世界の創造にいたるクリムト
の歩みがしるされてるようでなりません。
の歩みがしるされてるようでなりません。
この作品はほかにもまだまだ見どころ一杯で、作品の近くでよく目を凝らしてみると、馬
の美しく素晴らしい毛並みの描写がよく分かり感嘆の声が出ます。
の美しく素晴らしい毛並みの描写がよく分かり感嘆の声が出ます。
また、木の幹には怪しげな男の姿が見えたりちょとした遊び心もあるんです。
この『人生戦いなり』は愛知県美術館で出会えます。
今回、愛知県美術館では開館20周年・生誕150年記念として12月21(金)
~2月11(月)まで『クリムト 黄金の騎士をめぐる物語』が催されます。
~2月11(月)まで『クリムト 黄金の騎士をめぐる物語』が催されます。
今でも目に入った瞬間、心が震えたのを思い出します。
ご興味持たれた方は是非ご覧になって下さい。
寺本でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿