
アートビル4F、セントラル・アートギャラリーでは、
『渡部裕子個展「鼓動の跡」』を開催中です。
書家/アーティストとして日本だけでなく海外でも活動を行う氏の、
セントラル・アートギャラリーでは2度目となる作品展。
今回の作品展では、平面の作品のみではなく、
有松絞りに書の画像を投影、ささやかな風に揺らぐ絞りの
たおやかな光と影、書の軌跡を楽しむという、
インスタレーション的な表現形式を創り出し、
これまでにない氏の作品を新たな角度で感じ取る機会となるであろう空間が演出されています。
展示のタイトルとなっている【鼓動の跡】というワードに関して、
彼女はこんな解説を寄せています。
"何千年と続いている人間が「書く」という行為。
それは、限りある鼓動の跡を必死で残そうともがく
人間の本能から来る行為なのかもしれません。
筆が紙に噛みついていく瞬間を、共に感じていただけたら幸いです。"
そう語る彼女の作品から感じられるものは、
まさに生命の証を残さんと言わんばかりの、
力強さ、大胆さ、自由さ、そして日常生きている間に表れては消える、瞬間の美。
色即是空、諸行無常というものを、書という形をもって
永遠へと昇華させようという、まさにアート的な、
書という枠では収まりきらない一つの次元が構築されています。
分野としての「書」に新たな認識を加えさせられるとともに、
行動としての「書く」ことに対しても、観た人の中で新たな哲学が生まれると思います。
また、会場にはラテンの音楽が流れ、書とのコラボレーションに、
お洒落さ、そして彼女のこだわりが感じられます。
2週間の会期で開催されておりますので、
この機会をぜひお見逃しなく、お立ち寄りいただきたいと思います。
*
『渡部裕子個展『鼓動の跡』』
8月30日(火)〜9月11日(日)
開廊時間:11:00〜19:00(最終日のみ17:00まで)
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