
こんにちは。セントラル画材の林です。
日本の美術界にビビッドな風を吹き込ませ続ける現代のマルコ・ポーロ・丸善美術商事様より、
なんとも気にならずにはいられない舶来の色鉛筆が入荷しました。
その名は『アクアモノリス』。
「モノリス」といえば、
私としては『2001年宇宙の旅』を思い出さずにはいられません。
冒頭で猿たちが丘の上に立つモノリスに触れたとき、
猿は骨を手に持ち道具として使うことを覚え、
破壊、そして暴力を行使し始めた。
そして猿が宙に投げた骨が、ロケットに変わっていく…
映像として究極です。
映画の中では「モノリス」は猿に『知恵』を与えた『知恵の実』なのです。。。
とまあ、ややオタクがかったオシャレ気取りの美大2年生のようなことを語ってしまいましたが、
いいんです。職業柄。
この色鉛筆は、オーストリアの老舗鉛筆メーカー、『クレタカラー』の製品で、
かの著名な画家は勿論、作曲家のモーツァルトやシューベルトも、
『クレタカラー』の鉛筆じゃなきゃ譜面は書けない!とダダをこねていたそうです。
『アクアモノリス』は水性の色鉛筆で、
普通に色鉛筆で塗った後、水を含んだ筆などで上からなぞることで、
ぼかしを表現することができます。
このアクアモノリスが他の色鉛筆とは一線を画している点は、
鉛筆全体が芯で出来ているということです。
接合剤で固められた顔料が、薄い漆の皮のみに包まれてできているのです。
芯だけとはいっても、手を汚すようなことはありません。
芯だけということで持ってみると普通の色鉛筆に比べ
多少ずっしりとした重量感があります。
削りたい場合は、普通の色鉛筆用の鉛筆削りを使用いただけます。
ただし、ここで私は『ちょっと待った』、と言いたいです。
その削りカスを、捨ててしまうのですか、ご主人様、と。
その削りカスは顔料の塊ですから、水で溶かして絵具のように利用できるのではないですか?と。
実際にはまだ試していないのですが、わりと濃厚な顔料を使っているようなので、
削りカス溶かし手法も、あながちビビッドな表現手法になり得なくもないと思うのです。
もちろん全体が芯だけですから、尖った芯先で描かずとも、
側面を使って描いてみてもいいわけです。
『2001年宇宙の旅』の猿のように、まずセットをむさぼるように破り開け、
全色をボキボキと折り、その断面を使って描く、野蛮スタイルをとってみてもいいでしょう。
やれやれ、と思われたとしても、いいんです。芸術ですから。
このアクアモノリスが、あなたにとって『アートの知恵の実』たらんことを。。。
クレタカラー アクアモノリス 販売ページ|セントラル画材オンラインショップ
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