2011/04/30

『芯だけ』水彩色鉛筆、アクアモノリス


こんにちは。セントラル画材の林です。


日本の美術界にビビッドな風を吹き込ませ続ける現代のマルコ・ポーロ・丸善美術商事様より、

なんとも気にならずにはいられない舶来の色鉛筆が入荷しました。


その名は『アクアモノリス』。




「モノリス」といえば、

私としては『2001年宇宙の旅』を思い出さずにはいられません。




冒頭で猿たちが丘の上に立つモノリスに触れたとき、

猿は骨を手に持ち道具として使うことを覚え、

破壊、そして暴力を行使し始めた。

そして猿が宙に投げた骨が、ロケットに変わっていく…


映像として究極です。

映画の中では「モノリス」は猿に『知恵』を与えた『知恵の実』なのです。。。




とまあ、ややオタクがかったオシャレ気取りの美大2年生のようなことを語ってしまいましたが、

いいんです。職業柄。




この色鉛筆は、オーストリアの老舗鉛筆メーカー、『クレタカラー』の製品で、

かの著名な画家は勿論、作曲家のモーツァルトやシューベルトも、

『クレタカラー』の鉛筆じゃなきゃ譜面は書けない!とダダをこねていたそうです。


『アクアモノリス』は水性の色鉛筆で、

普通に色鉛筆で塗った後、水を含んだ筆などで上からなぞることで、

ぼかしを表現することができます。




このアクアモノリスが他の色鉛筆とは一線を画している点は、

鉛筆全体が芯で出来ているということです。

接合剤で固められた顔料が、薄い漆の皮のみに包まれてできているのです。

芯だけとはいっても、手を汚すようなことはありません。



芯だけということで持ってみると普通の色鉛筆に比べ

多少ずっしりとした重量感があります。


削りたい場合は、普通の色鉛筆用の鉛筆削りを使用いただけます。



ただし、ここで私は『ちょっと待った』、と言いたいです。

その削りカスを、捨ててしまうのですか、ご主人様、と。

その削りカスは顔料の塊ですから、水で溶かして絵具のように利用できるのではないですか?と。



実際にはまだ試していないのですが、わりと濃厚な顔料を使っているようなので、

削りカス溶かし手法も、あながちビビッドな表現手法になり得なくもないと思うのです。

もちろん全体が芯だけですから、尖った芯先で描かずとも、

側面を使って描いてみてもいいわけです。




『2001年宇宙の旅』の猿のように、まずセットをむさぼるように破り開け、

全色をボキボキと折り、その断面を使って描く、野蛮スタイルをとってみてもいいでしょう。



やれやれ、と思われたとしても、いいんです。芸術ですから。

このアクアモノリスが、あなたにとって『アートの知恵の実』たらんことを。。。




クレタカラー アクアモノリス 販売ページ|セントラル画材オンラインショップ



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