2011/03/09

『拈花(ねんげ)と空の鳥 なかつじちよえ展』



アートビル4F、セントラル・アートギャラリーでは、
『拈花(ねんげ)と空の鳥 なかつじちよえ展』を開催中です。


画家・なかつじちよえ氏による、油彩を中心とした作品展。
仏教徒ではないという氏が、仏典の世界の優美さ・奥深さを描き出しています。


タイトルの『拈花と空の鳥』とは、
故事の『拈華微笑(ねんげみしょう)』と、福音書の『野の花・空の鳥』から引用して
氏自身が作り出した言葉です。

『拈華微笑』は、『以心伝心』と似た意味をもつ故事成語で、
言葉を語らずとも、心が通じあう人間同士の関係性を表し、
一方の『野の花・空の鳥』は、
イエスは野の花や空の鳥に謙遜な生き方を学べと説いたところからきています。
自然の摂理の中では、一切の人間の思い、言葉、行為は
ただ沈黙の中におかれているという教えなのです。





現代においては、我々はあらゆるところから様々な情報を得ることができ、
情報過多で、知識ばかりが肥大しがちになっているのが事実です。
そんな現代の我々のコミュニーションは表面的で、あさはかだということが、
ある側面からいえば当てはまってしまうことを否定できないのではないでしょうか。

人間社会の営みとは離れたところに、
真の人間らしい生き方がある、ということを、釈迦もイエスも説きたかったに違いありません。


そんな教えを反映するかのように、今回の作品達は、
「見る・聞く・触れる・嗅ぐ・味わう」の感覚で受ける楽しさ、美しさを重んじた、
非常に人間の純粋さを引き出させるような作品であったような気がしました。
ご来場いただいた方にも是非、純真無垢な気持ちで鑑賞いただきたいと思います。


*
拈花(ねんげ)と空の鳥 なかつじちよえ展

3月8日(火)〜3月13日(日)

開廊時間:11:00〜19:00(最終日のみ17:00まで)

場所:セントラル・アートギャラリー

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